働き方

男性育休と育児休業給付金で覚えておきたいこと

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厚生労働省が発表した調査*によると、2020年度における男性の育児休業取得率が初めて1割を超え、12.65%まで上昇しました。政府目標として掲げる2020年までに13%にわずかに届かなかったものの、前年度から5.17ポイントの上げ幅はかつてないものです。

*令和2年度雇用均等基本調査

さらに、育児・介護休業法の改正によって、2022年10月1日からは「出生時育児休業制度」が創設されます。この制度は、子の出生後8週間以内に4週間まで、2回に分割取得することができる柔軟な枠組みで、一定の条件のもと、事前に調整して就労も認められます。

一連の法改正によって、男性の育休取得に弾みがつくことは確かなことでしょう。

ところで、前述の調査では、男性の育休取得者のうち、育休期間が5日未満の取得者の割合は約3割(28.33%)もいます。わずか数日で育児休業と言えるのか、個人的には大いに疑問を感じるところです。

一方、まだ数的に多いとは言えないものの、男性も育児休業を長期間取得するケースが出てきています。つい先日は、同じ企業で夫婦ともに子が1歳になるまで育休を取得したい、という相談を受けました。これはまだレアなケースですが、1か月から3か月程度の育休取得事案は徐々に増えつつあると感じます。

育休を取得する際に、気になる問題といえば、その間の生活保障に関することではないでしょうか。実際に、「いくらもらえるのか?」といった相談を受け、給与情報をもとに試算したりしますが、ふとあることに気づきました。

育児休業給付金の留意点

育児休業給付の支給率は、育休開始から6か月(180日)まで、休業開始時賃金の67%、それ以降は50%まで下がります。この休業開始時賃金というのは、原則として育休開始前6か月間の総支給額(賞与を除き、残業手当や通勤手当などの各種手当を含む)を180で除して得た額となります。

育児休業給付金として、単純に平均給与の67%をもらえる、と思っている人もいるようですが、これには注意が必要です。仮に、平均給与が60万円の人が67%の40万2000円もらえるかというと、そういうわけではありません。

なぜなら、育児休業給付金には、支給額の上限額があるからです。

女性の場合、この上限額を超えるケースは多くありません。ですが、男性の場合、そうとは言えない場合もあります。

この支給上限額は、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに、毎年8月1日に見直されます

2021年8月1日~2022年7月31日までは、以下の通りです。

【育児休業給付の支給限度額】

支給率が67%の場合:301,902円

支給率が50%の場合:225,300円


つまり、給与が450,600円を超えると、いくら高い給与の人でも上限額以上をもらうことはできないのです(2021年度の場合。年によって前後あり)。67%だと思い込んでいると、後で「当てが外れた」と感じてしまうかもしれません。

育休期間が数日ならば、もらえる額自体が少ないので、それほど気になる問題ではありませんでした。しかし、育休期間が長期化する場合でさらに給与が45万円以上の人は、上限額があることに留意した方がよいでしょう。

男性が育休取得を躊躇う要因は様々で、経済的な問題もそのひとつと言えます。

ただ、お金以前に、男女の性別役割意識が根深くあることは確かで、どうやってこうした意識を個人や職場で改革していくか、大きな課題だと考えます。

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