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男性の育児休業・産後パパ育休はいつから取れる?

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

近年、育児休業に関しては法律の改正が多く行われていますが、2022年は4月10月、2度に渡って改正が施行されました。

その目玉と言えるのが、「出生時育児休業(通称:産後パパ育休)」です。

※産後パパ育休の内容を追加しました。

この記事を読むと、

・男性と女性の育児休業開始日の違い

・出産予定日より実際の出産日が早まった場合

・出産予定日より実際の出産日が遅れた場合

・予定日より遅れた場合の男性の育児休業給付金

・産後パパ育休で出産予定日と出産日が異なる場合

・育児休業の撤回について

について、わかります。

2022年10月以降「産後パパ育休」が創設されました。従来の育児休業と異なり、原則として出産日から8週間以内に取得できる期間が限られています。産後パパ育休は28日を超えて延長することはできません。さらに育休を取りたいときは別途、育児休業を取得することもできますし、最初から育児休業を取得することもできます。

男性と女性、育休開始日の違い

育児休業は、いつから始めることができるのでしょうか?

女性(実子を出産した場合)の場合、産前・産後休業があるため、生まれてすぐ育児休業ができるわけではありません。なお、出産日は「産前休業」に含まれます。

具体的には、産後休業が終了する日の翌日以降、つまり出生日から数えて57日目から育児休業を取得することができます。

一方、男性の場合は、配偶者の出産予定日または子どもの出生日以降に育児休業を取ることができます。

自然分娩の場合、出産予定日と実際の出産日が異なることは珍しくありません。

出産予定日を育児休業の開始予定日として申し出る場合、出産予定日より早く出産したときは、開始日の1週間前までに申し出ることで、1回に限り、繰り上げ(日にちを早める)が可能です。

子どもの出産日が出産予定日より遅いときは、出産予定日から子どもの出生日の前日までについては、育児休業の取り扱いとなります。

ところが、実際に子どもの生まれた日が育休開始日になる、と思い込んでいる人もいるようです。

この点について、育児休業開始予定日の繰り下げ(日にちを遅らせる)ことは、法令上は規定されていません。(それに付随して、育児休業規程でも規定していないケースが多い)

ですから、会社側としては、生まれた日以降に育休開始日の繰り下げを認めるかどうか、事前に取り扱いを決めておくとよいでしょう。

男性側も、予定日よりも出産が遅れた場合にどうするか考え、あらかじめ会社に確認を取っておくことが大切です。

予定日より遅れた場合、男性の育児休業給付金は?

ちなみに、出産予定日よりも実際の出産日が遅れた場合、男性の育児休業給付金はいつから支給されるのでしょうか?

男性の場合は配偶者の出産予定日より育児休業の取得が可能であるため、配偶者の出産予定日から育児休業を開始した場合は育児休業給付金の支給対象となります。

(注)以前は出産日からとされていましたが、現在は取扱いが変更されています。

産後パパ育休が取れる期間は?

産後パパ育休の対象となる出生後8週間以内の期間とは、原則として出生日から8週間後までの間となります。このうち28日を限度に、2回まで分割して取得できます。

出産予定日と実際の出産日が異なる場合は、どうなるのでしょうか。

出産予定日後に子が生まれた場合は出産予定日から出生日の8週間後まで(例1)、出産予定日前に子が生まれた場合は出生日から出産予定日の8週間後まで(例2)となります(図表は厚生労働省のパンフレットより抜粋)。

育児休業中の社会保険料についても注意

育児休業中の社会保険料の取扱いについては、2022年10月1日に改正がありました。

特に男性の場合、「産後パパ育休」を分割して取得するケースなども考えられますので、どのタイミングで産後パパ育休・育児休業を取得すると社会保険料が免除となるのか等、事前に確認しておくことをお勧めします。

こちらに事例など交えて改正点についてまとめていますので、参考にしてください。

育児休業の撤回は?

育児休業の開始予定日の前日までに申し出ることで、理由を問わず、1回のみ撤回することが可能です。

なお、1歳6か月までの延長と2歳までの再延長は、別の育休として考えます。

2022年10月1日以降、子どもが1歳になるまでの育児休業を2回申し出るときは、それぞれの育児休業が別の育児休業として取り扱われるため、これらの申出につき1回ずつ撤回することができます。

撤回の申出をしたときは、配偶者の死亡や離婚など特別の事情がない限り、撤回した育児休業について、再度育休の申出はできません。

まとめ

保育所に入所できないなどの理由で1歳以降に育児休業を延長する場合、2022年9月30日までは、育休開始日は1歳、1歳6か月の時点に限定されていました。

それが2022年10月1日以降、育休開始日が柔軟化され、1歳、1歳6か月の時点に限定せず、夫婦で育休を途中交代できるようになりました。

柔軟化される、ということは、それだけ選択肢が増えるということです。

産後パパ育休については、様々な取得パターンが想定できます。

育児休業をいつからどのように取るか、育児期の過ごし方について、パートナーと一緒に検討されてみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、執筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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