こんにちは、佐佐木 由美子です。
育児休業から職場復帰するときに考えておきたいのが、復職日と社会保険料の関係です。
「慣らし保育」などの関係から、時々復職日についてご相談を受けますが、この点をよく理解しておかないと、給与がマイナスになってしまう事態も生じます。
自治体によって対応が異なる点に注意
保育園に入園するには、基本的に復職が条件となります。
しかし、自治体によって復職が求められタイミングが異なるため、注意が必要です。
育児休業は、育児のためにその期間において休業が認められている制度のため、保育園に入園する同じ月に復職を求める自治体も少なくありません。
たとえば、東京都の世田谷区では、入園した月中(の開園日)に勤務を開始することが条件となっています。
4月入園の場合は、4月中に復職しなければなりません。仮に、入園月の翌月である5月に復職すると、入園取消または月末で退園となってしまいます。
同様の取り扱いをする自治体もあれば、入園月の翌月までの復職を認める自治体もあります。そのため、お住まいの自治体の対応について、事前に確認しておくことが大切です。
特に注意したいのは、復職日を月末近くまで遅らせる場合。
育児休業中は雇用保険から「育児休業給付金」が支給されるため、できるなら少しでも復職日を遅らせ給付金を受け取りたい、と考えるかもしれません。
しかし、入園月の復職を条件としている自治体で、ギリギリとなる入園月の末日に復帰するような場合はどうなるでしょう?
たとえ1日の勤務であっても、社会保険料は1ヵ月分発生します。
給与の締日が月末の場合、1日分の給与が発生しますが、それよりも社会保険料の方が多くなってしまうため、給与がマイナスになってしまうという問題が発生します。
そうした事態を招かないためにも、特に給与締日が月末の場合は、月末や月末数日前の復職は避けた方が賢明です。
会社とのコミュニケーションを
本来は、保育園に入園が決まれば、速やかに復職することになります。
保育園の入園と同時に(休業理由が消滅したため)復職を求める会社もあれば、企業独自の取組みとして「ならし保育」に対応するための制度等を設けている場合もあります。
実際には慣らし保育として、1~2週間程度は通常通りに勤務するのが難しいといえます。
そこで、「ならし保育」として適当と考えられる1~2週間程度の期間内において、育児休業終了前に保育所への入所決定を行い入所できる弾力的取扱いを厚労省も通達で認めています。
こうしたことを考慮すれば、保育園の入園日から1~2週間以内に復職できるよう準備を進めるとよいでしょう。
お子さんの慣らし保育等に不安があるなども、年次有給休暇を活用する方法も考えられます。
事前に会社へ相談してみましょう。
