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「女性の経済的な自立」について考えること

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

自由を手に入れるためのパスポートがあるとすれば、経済的にも精神的にも自立すること。ずっとそう考えてきました。そのため、経済的に自立する手段として、働くということについては、あれこれと思いを巡らせ、試行錯誤してきました。

子供のうちは、親に庇護してもらわなければ生きていけません。しかし、いつかその場所から離れ、自分の足で立っていくことになります。

それは動物の世界では当たり前のことですが、人間界(特に日本の社会)において、女性が経済的に自立し続けていくことは、長い間、当たり前のことではありませんでした。

これまでの労働慣行では、女性が長期的に働くことがほとんど想定されず、メンバーシップの外に追いやられていたといっても過言ではありません。

挫けずに働いたとしても、年を重ねるほど賃金格差は広がるばかり。育児休業法(今の育児・介護休業法)が施行されたもの、わずか30年前のことです。

こうした状況の中で、女性が経済的に自立して生きていくには、働き方や生活面における様々な工夫や発想の転換などが必要だったと思います。

女性版骨太の方針2022

そして今般、「女性版骨太の方針2022」において、「女性の経済的自立」を前面に掲げ、重点方針が決定されました。遅きに失する感がなくもありませんが、やっとここまできたかという想いがあります。

男女間の賃金格差問題をはじめ、昭和の時代に形作られた社会保障制度・税制度の見直しなど、問題は山積しています。(参照:男女間の賃金格差、開示義務でどう変わる?

男性の育児休業取得を促すための法改正も2022年10月に控えていますが、男女の賃金格差という根本的な問題は、育児期における男女の働き方にも大きな影響を与えていると考えます。


経済的にどう自立していくか、どのような人生を歩んでいくのか。それは、もちろん個人が考えることです。

しかし、真面目に働いても埋まらない格差や構造的な問題は、個人だけで解消できるものではありません。

女性自身の問題だと切り捨てず、国レベルで本気になって取り組むことが、今まさに求められているのではないでしょうか。

個人レベルでは、諦めることなく希望を持ち、変化していく社会情勢を見据えながら、これからどうありたいか、今できることは何かを考え、行動することが大切だと思います。

私も様々なトライアンドエラーを繰り返してきましたが、気づいたら自立できるようになっていた、という感じでしょうか。こうした感覚を持てるようになるまで、かなり時間はかかりました。これは精神的な態度であり、おそらく一時的にいくら稼いだとしても得られないものでしょう。

多くの女性が自立し、自由に自分らしい人生を歩めること。それは、私が思い描く日本のビジョンです。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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