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「逃げる」という選択肢について考えること

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

「石の上にも3年」という言葉がありますが、我慢強く耐え忍べば必ず成功する、と誰が言えるでしょうか。
 
私たち日本人は、幼い頃から「逃げてはいけない」という規範を教え込まされ、それが正しいことだと漠然と思っているところがありますよね?
 
仕事においても、どんなに理不尽な状況にあったとしても、逃げてはいけないと考えてしまう人は少なくありません。
 
なぜでしょう?
 
例えば、逃げる人が増えれば、誰かがその役割を担わなければなりません。
 
企業組織で考えると、退職者がでれば残ったメンバーがその仕事を分担することになり、人材が補充しない限り、負担が増えることになります。
 
これは本来、企業マターです。
でも、誰かに肩代わりしてもらうのを心苦しく思ってしまい、「逃げてはいけない」と無理をして頑張ろうとしてしまう。
 
仕事を失ってしまうことや経済面での不安なども、根底にあるかもしれません。
 
でもその結果、心身が壊れてしまったら?
そんな残念なことはありません。
 
手遅れになる前に、上手く逃げるということは、決して恥ずかしいことではありません。大事な能力のひとつだと思うのです。
 
逃げることは、弱いからではなく、むしろ勇気があるからこそできること。
 
言葉の響きにネガティブな印象を感じてしまいがちですが、時と場合によっては立派なオプションになり得ます。
 
たとえ次の行き先が明確に決まっていなくても、壊れてしまう前に逃げることは大切。
 
長い人生の中には、常に順風満帆ということはなく、様々な局面に出合うものです。
 
「逃げる」ということも、純粋にオプションのひとつだと捉えることができれば、打ち手も広がります。
 

キャリアブレイクも視野に


 仕事に関していうと、「空白期間があると転職に不利」と言われることがあります。
 
仕事をしていない期間を、一般にブランク(空白)期間と言い、キャリア上あまりポジティブなニュアンスを持たれない傾向にあります。
 
しかし、そうした期間は本当に人生において空白だったのでしょうか。
 
私は、そう思いません。
 
人それぞれ、何か意味があるはず。
 
病気になったことで、これまで全く気付くことの出来なかった新たな視点に出合えるかもしれません。痛みを感じることで、他者の痛みにも気づけるようになります。
 
新しい学びやチャレンジが、世界を広げてくれることもあるでしょう。
 
仕事を離れて子育てや家族の介護で得た経験が、ビジネスに役立つスキルにつながることも十分に考えられます。
 
好きな活動をして、心身共に充電するのも大事なこと。
 
お金を稼ぐ活動だけに、価値があるように捉えられがちですが、そんなことはありません。
 
自分の選択について、意味を与えられるのは、自分だけ。他の誰でもありません。
 
 
ヨーロッパなどでは、人生の一時期を仕事から離れる文化があります。
 
心身の回復や旅、子育て、自己研鑽など目的は様々ですが、「キャリアブレイク」とも言い、決してネガティブなものとは捉えられていません。
 
ブレイク(break)とは、休憩や小休止を意味する言葉。
そこから「キャリアブレイク」とは、離職や休職など一時的に働くことを休止することをいいます。
 
たまには、思いきってモードを変えてみてもいいのではないでしょうか。
 
 
人生100年時代といわれ、私たちの働く期間は今後ますます長期化していきます。
 
あえて働かない期間を設け、別の活動に取り組んでみる。
そういうやり方も、キャリアにおける選択肢の一つといえるようになるのではないでしょうか。
 
もっと、心をしなやかに、自分を大事にして歩んでいきませんか。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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