定年前後の働き方大全100

発売中

詳細はこちら
ライフ

今のままでいい?無意識の「現状維持バイアス」

ライフ

こんにちは、佐佐木 由美子です。

今の状況に満足しているわけではないものの、敢えて変わろうとするのは何かと大変でコストもかかる……。

「変わりたい、けれど変わりたくない」

そのようにアンビバレントな感情に揺れ、結局「だったら今のままでいいか」と考えてしまうことはありませんか?

たとえば、今の職場に満足しているわけではないけれど、転職するまでの勇気はない、など。転職することで、希望の職種に就けたり給与アップしたりするメリットも考えられます。

一方、「そういう職場は、人間関係がギスギスしているかもしれない」といった風に、デメリットを強く意識して変化を恐れてしまうのです。そうなると思考がストップして、まだ今のままの方が安心かも、と思ってしまいます。

このように、未知の経験や変化を避け、現状維持を望む心理作用のことを「現状維持バイアス」と言います。現状維持バイアスに陥ることで、人は現状のままでいることを望むようになります。

何事もすべてがメリットだけ、あるいはデメリットだけ、というのは考えにくいものです。一般に、選択肢にはメリットとデメリットが共存するもの。リスクや失敗を恐れて非合理的な選択をしてしまうのは、現状維持バイアスによるものと言えるでしょう。

もしあなたが、何かに対して現状維持バイアスに陥っているかもしれないと思える節があるなら、以下の方法を試してみるのをおすすめします。

シナリオを描いてみる

リスクを取ったときに起こり得る、最悪のシナリオとはどのようなものでしょうか?

それが万が一起こったときに、自分の許容範囲を超えて手の打ちようがないものであれば、もう少し冷静になってみてもいいかもしれません。

ただ、なるべくそうならないように、事前に保険をかけておくことはできます。保険をかけて一定のリスクヘッジをしたならばどうだろう?ということも考えてみます。

たとえば、フリーランスになりたいという場合、すぐに仕事を辞めないということです。つまり、今の仕事は続けて失敗しても生活ができる保険をかけておき、副業としてスタートしてみる、といったやり方です。

二足のわらじが厳しいようなら、最低限度の生活費を見積り(圧縮するための努力もしたうえで)、余裕をもって1年程度は暮らせるだけの貯蓄をしておく、というのも保険になります。

「何か失うかもしれない」という不安が大きくなってしまうと、どうしても「今のままの方が安全だ」という思考に陥ってしまいます。不安を減らして変化を起こせるように、保険をかけて徐々にシフトする、ということであれば、トライできるのではないでしょうか。

どちらに転んでも必ず気づきがあるはずです。うまくいかないときは、その学びからもう一歩深めて考えていけばいいわけですから、確実に変化しています。

プロコン(pros and cons)で比較検討する

意思決定するためのフレームワークに、プロコンリストで比較検討する手法があります。

プロス(Pros)は賛成意見・メリットで、コンス(Cons)は反対意見・デメリットです。ある選択肢に対して、両者の情報を収集・整理し、重みづけして比較することで、合理的な選択ができるようになります。

たとえば、A社に転職するか悩んでいるとしましょう。左側にプロス、つまり転職することのメリットと、右側にコンス・転職することのデメリットを思いのまま挙げていきます。

不安が大きいとデメリットばかりに頭がいってしまうので、極力フラットに肩の力を抜いて自由に思考を巡らせてみます。

さらに自分にとって大切な職業観、重要度を数字にして重みづけし比較してみると、より客観的に答えを導くことができます。


「リスクを取らないことが最大のリスク」という言葉もあります。

かといって、やみくもにリスクテイキングするのもお勧めできません。

私たちは多かれ少なかれ日々何かを選択しています。つい安易な道に流されがちなところがありますが、もしかしたらそれも現状維持バイアスの影響かもしれません。

大事な選択は、自分の頭でじっくりと考えて答えを出していきたいものです。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

ワークスタイル・ナビをフォローする
シェアする
ワークスタイル・ナビをフォローする
佐佐木 由美子のワークスタイル・ナビ
タイトルとURLをコピーしました