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国民健康保険料の上限引き上げ~Q&A:親を扶養にできる?

社会保険とお金

こんにちは、佐佐木 由美子です。

自営業やフリーランスで働く人たちが加入する国民健康保険(国保)について、「保険料が高すぎる」という嘆きの声を聞くことがあります。

保険料の決め方も、会社員の人たちが加入する健康保険料とは大きな違いがあります。

そうした中で、厚生労働省は2024年度から年間の上限額を2万円引き上げ、106万円にする方針を示しました。

これによって負担が増えるのは、どのような人たちなのでしょうか?

国保の保険料はどう決まる?

そもそも、国保の保険料は、加入者が住んでいる市町村が、世帯の人数や所得、資産などに応じて決めています。

国保では大きく加入者全員にかかる「医療分」「後期支援分」と40歳~64歳を含む「介護分」とがあり、具体的な計算方法や納付額は、それぞれの自治体で異なります。

日本の超高齢化は今後も避けられませんが、それによって医療費は年々増え続けているのはご承知のとおり。

高所得者に際限なく保険料を負担してもらうと、負担した保険料に対して医療費として還元される割合がとても小さくなってしまうため、上限が設けられているのです。

医療費を確保するために、もし加入者全体の保険料率を引き上げれば、中所得層の負担額が増えてしまいます。

上限を引き上げて、高所得の人により多く負担したもらうことで、中所得層の負荷に配慮すしようというねらいがあります。

上限引き上げで影響が出る人は?

厚生労働省が2021年のデータをもとに試算したモデルケースによると、年106万円の上限に達するのは、単身世帯の場合で年収が約1160万円以上の人たちです。

これは加入世帯のうち、推計1.35%に当たります。

上限に達する場合、40歳~64歳では介護分が賦課され月当たり88,333円、10回に分けて納付すると106,000円になります。

現行の上限(年104万円)においては、単身世帯で年収約1140万円以上の人(加入世帯の1.33%)が該当しています。

最近では、ほぼ毎年のように上限額が引き上げられていますが、今後も高齢化などによって医療費増が見込まれるため、高所得層への負担増は避けられないといえるでしょう。

Q&A~国民健康保険では親を扶養にできないの?

「別居する親を扶養に入れて、保険料を抑えることはできませんか?」という質問を受けることがあります。

会社員等が加入する健康保険の場合(協会けんぽなど)、扶養することで親が支払っている保険料を削減することは可能といえます。

ただ、本人が支払っている保険料は、扶養人数にかかわらず変更されることはありません。この点は誤解のないようにしてください。

一方、国民健康保険には、社会保険にはある扶養の考え方がありません。

国保は住民票の世帯単位で加入となりますので、別居している家族については、別々に国保に加入することになります。

税法上の扶養とは切り離して考えておきたいところです。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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