社会保険とお金

教育訓練給付制度、3種類の活用法

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教育訓練給付制度は、労働者の主体的なスキルアップを支援するため、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した人に対し、その費用の一部が支給される制度です。

教育訓練給付制度には、『専門実践教育訓練給付金』と『特定一般教育訓練給付金』、『一般教育訓練給付金』の3種類があり、それぞれ給付率が異なります。

専門実践教育訓練給付金とは

専門職大学院の課程(MBA、法科大学院、教職大学院等)やITSSレベル3以上のIT関係資格取得講座など特に労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象となります。

受給資格確認前までに訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。

専門実践教育訓練給付金の対象者

次の(1)又は(2)に該当し、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を修了する見込みで受講している人と修了した人

(1)雇用保険の被保険者

受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上★あること。

(2)雇用保険の被保険者であった方(退職者)

受講開始日時点で被保険者でない人は、退職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であり、かつ、支給要件期間が3年以上★あること。

★初めて支給を受けようとする方については、当分の間、2年以上

適用対象期間の延長とは?

雇用保険の被保険者資格を喪失してから1年以内のうちに、妊娠・出産・育児・疾病・負傷などの理由により、引き続き30日以上教育訓練の受講を開始できない日がある場合に、ハローワークに申し出ることにより、被保険者資格を喪失した日から受講開始日までの教育訓練給付の対象となり得る期間(適用対象期間)にその受講を開始できない日数(最大19年まで)を加算することができます。

専門実践教育訓練給付金はどのくらい支給される?

受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給されます。

資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給されます。

なお、失業状態にある方が初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する場合、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たせば、別途、教育訓練支援給付金が支給されます。

特定一般教育訓練給付金とは

税理士など業務独占資格などの取得を目標とする講座やITSSレベル2以上のIT関係資格取得講座など、特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象となります。

受給資格確認前までに訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。

特定一般教育訓練給付金の対象者

次の(1)又は(2)に該当し、厚生労働大臣が指定する特定一般教育訓練を修了した人

(1)雇用保険の被保険者

受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上★あること。

(2)雇用保険の被保険者であった方(退職者)

受講開始日時点で被保険者でない人は、退職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間※の延長が行われた場合は最大20年以内)であり、かつ、支給要件期間が3年以上★あること。

★初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上

特定一般教育訓練給付金はどのくらい支給される?

受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給されます。

一般教育訓練給付金とは

英語検定、簿記検定、ITパスポートなどの資格取得や修士・博士の学位などの取得を目標とする課程など、雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練が対象となります。

一般教育訓練給付金の対象者

次の(1)又は(2)に該当し、厚生労働大臣が指定する特定一般教育訓練を修了した人

(1)雇用保険の被保険者

受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上★あること。

(2)雇用保険の被保険者であった方(退職者)

受講開始日時点で被保険者でない人は、退職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間※の延長が行われた場合は最大20年以内)であり、かつ、支給要件期間が3年以上★あること。

★初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上

特定一般教育訓練給付金はどのくらい支給される?

受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。

教育訓練の対象講座を調べるには?

対象となる教育訓練は、約14,000講座あり、「教育訓練講座検索システム」より具体的に検索が可能です。

フローチャートで確認しよう

出所:厚生労働省パンフレット「教育訓練給付制度のご案内」LL030714開若01

まとめ

教育訓練給付金は、働く人の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度です。

そのため、雇用保険の被保険者である方(在職中)と被保険者であった方(退職者)を対象としています。

自分が対象となるかどうかわからない場合、ハローワークによる支給要件照会の手続きをすると、給付が受けられるかどうかをより詳しく調べることができます。これは「教育訓練給付金支給要件照会票」の用紙に必要事項を記入し、本人来所、郵送、代理人のいずれかの方法によって手続きが可能です(電話による照会は不可)。ハローワークのホームページ等でご確認ください。

ポイントは、厚生労働大臣が指定する講座の中から自分が好きなものを選択でき、受講費用をまずは全額自分で負担する点です。支給要件に該当する場合に、自己負担した費用のうち、それぞれの給付率(上限あり)を乗じた受講費が戻ってくるシステムとなっています。

申請手続きは自分自身で住居所を管轄するハローワークで行います。受講前の提出書類や手続きなど細かい定めがあるので、不明な点があればハローワークに確認を取りながら進めるのがよいでしょう。

本投稿は公開日時点の情報をもとにしています。

執筆:佐佐木 由美子(社会保険労務士)

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、エッセイスト。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに日経styleやダイヤモンド・オンライン等の経済メディア、専門誌に多数寄稿。

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