働き方

求人応募する際に留意したい、労働条件のチェックポイント

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あなたは、就職・転職活動するとき、採用募集の労働条件をちゃんとチェックしていますか?


「面接時に聞いていた話と、実際の労働条件が違う」というのは、よく聞く話です。

口頭だけでは、思い違いもありえますし、会社側も敢えて都合の悪い話はしたくないもの。ですから、自分自身できちんと仕事内容や求められるスキルをはじめ、基本的な労働条件を理解しておくことが大事になります。

企業が労働者の募集を行うときには、職業安定法等において一定の労働条件を明示することが義務付けられています。職業安定法により最低限明示しなければならない労働条件は以下の通りです。まずは、ここをチェックしましょう。

参考出所:厚生労働省パンフレットをもとに筆者アレンジ ※受動喫煙防止措置の状況は2020年4月から明示義務あり


求人票のスペースが足りないなどやむを得ない場合には、労働条件の一部を別途明示することも可能とされています。新聞やホームページ上においても、スペースが限られていることは珍しくありません。

(ちなみに、ハローワークにおける求人票にはすべての条項が漏れなく記載されています。)

ただ、一部を省略している場合は、原則として初回の面接等、求職者と最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示すべきとされています。

求人に応募する際は、こうした条件をよく確認して、気になることがあれば率直に確認をしたほうがいいでしょう。

例えば、「給与25万円(残業代込み)」のような場合。いったい何時間分の残業代がいくら含まれているのか、本来の基本給がいくらなのか判別できません。このような場合は、納得できるまで説明を求めることが大切です。

さらに注意したいのは、当初明示した労働条件が変わる場合。その際は、変更内容について、求職者が適切に理解できるような方法で明示しなければならないことになっています。

これらをクリアして、順調に内定をもらったとしましょう。原則として内定までに、学校卒業見込者等に対しては職業安定法に基づく労働条件(上記図表)の明示を書面により行う必要があるとされています。もし不明な点があれば、この段階で確認を取っておくことです。

労働契約の締結時に、書面で最終確認を

労働契約の締結時には、労働基準法に基づき労働条件通知書等により、労働条件を通知することが使用者には義務付けられています。

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

労働基準法第15条1項

中途採用の場合は、採用面接を受けてから入社まで、あまり時間がない場合もあるでしょう。少なくとも入社日までには書面が交付されるはずなので、ここでこれまで示されてきた労働条件に相違がないか最終チェックします。

以下の内容が労働基準法において明示が義務付けられている事項です。会社によっては、就業規則等を配布して明示する場合もあります。

※労働者が希望した場合でかつ、出力して書面を作成できる場合はFAX・メール・SNS等の電子媒体での明示も可


「法律は難しい」とか「会社が発行しているものだから間違いはないだろう」と思い込み、重要な労働条件を自分で確認しないのは避けたいものです。労働契約を結ぶのは、誰でもない本人です。書面があるから安心ではなく、その内容が大切なのです。

そもそも労働契約とは、「労働者が使用者の指揮命令に従って働くことを約束し、使用者がその報酬として賃金を支払うことを約束する契約」をいいます(労働契約法第6条)。

そして労働契約は、「労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきもの」とされています(労働契約法第3条1項)。つまり、本来は労使対等が基本原則にある、ということです。


労務管理がしっかりと行われている会社では、こういった労働条件の明示はきちんと行なっています。逆に、このような大事な場面で、いい加減に対応している会社は、入社後も同様にルーズであるかもしれません。


何事も最初が肝心です。気持ちよく働いていくためにも、曖昧な点はそのままにせず、きちんと確認をしましょう。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、エッセイスト。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに日経styleやダイヤモンド・オンライン等の経済メディア、専門誌に多数寄稿。

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