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「独立生計を営む人」について感じること

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

先日、身内が入院することになり、入院申込みの手続きを行っていたときのこと。

連帯保証人の話があったので署名をしようとしたところ、若い女性の看護師さんにやんわりと止められました。よく書面を読んで下さいと言わんばかりに、該当の文章をさし示して声高にこう言われました。

「独立生計を営み支払い能力のある方の署名をお願いしています。独立生計を営み支払い能力はありますか?」

そんな質問を受けたことに、私は内心驚きました。

「はい」と答えたものの、彼女の腑に落ちないような表情を見て、空気を読むことに。

でも、小さな引っ掛かりが心に残りました。

もし、私が男性だったならば、同じような質問を受けていたでしょうか。

彼女は職務を誠実に全うしようとしていただけなのでしょう。

しかし、こういうセリフが当たり前のように出てしまうのは、一種のジェンダーバイアスと言えるのではないでしょうか。

日本では男女間の賃金ギャップが顕著なことは否めません。

だからと言って、女性には「独立生計を営み支払い能力がある」とは思われにくいとしたら、とても残念なこと。

ジェンダーバイアスは、無意識なものだけに根深い問題だと感じます。


これは健康保険における実務上の話ですが……

肌感覚としても、近年は女性が男性パートナーを扶養するケースが増えてきていると感じます。

働き方が多様化していることもあるでしょう。

決して特別なことではないと私は思っていますし、それぞれの家族の形があっていいはずです。

共働き夫婦にお子さんが生まれたときも、夫婦のどちらが子どもを扶養するか、ということが話題によく上るようになりました。

そうした社会的なニーズから、2021年には夫婦共同扶養における被扶養者認定の通達も新たに出されているほどです。

ですから、出生に関する社会保険手続きについては、被保険者である夫婦のどちらが扶養をするのか、きちんと確認をするようにしています。(これに関しても、人によっては「当然夫です」的な言い方をされることもあるのですが)

少しずつ時代は変わってきています。

独立生計を営む人や扶養する人が男性だという思い込み、それを前提として話を進めるのは、違う気がします。

入院時の連帯保証人についても、少子高齢化の時代に連帯保証人以外の方策をシステマティックに検討した方が、現実的ではないでしょうか。

ちなみに、民法の改正によってこうした根保証契約については極度額の定めがなければ効力は生じません。そもそも意味がある行為と言えるのか(病院側の負担を減らすという意味においても)見直した方がよいのでは?

余談ながら、そんなことをあれこれと考えてしまいました。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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