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育児で時短勤務をするときの給付【育児時短就業給付金】

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

育児休業から職場復帰する際、時短勤務に関する相談を受けることがあります。

2025年4月から「育児時短就業給付金」が創設されたことにより、この制度を利用した場合にどの程度受け取れるか気になるようです。

時短のニーズは圧倒的に女性従業員が多いですが、場合によっては夫婦でこの制度を利用することで、女性1人で取得するよりも世帯収入がアップする場合も考えられます。

このエントリでは、夫婦で制度利用する場合の例について取り上げます。

育児時短勤務制度は法律で定められている

育児のため所定労働時間を短縮する時短勤務制度は、育児・介護休業法で定められています。

具体的に、事業主は3歳未満の子どもを養育する従業員が希望すれば、契約上の労働時間を原則として1日6時間にできる措置を設けなければなりません。

企業によっては、6時間を基準にしつつ、5時間や7時間などのバリエーションを設けている場合もあるでしょう。

ちなみに、2025年10月1日からは、「育児期の柔軟な働き方を実現するための措置」として、事業主が選択した場合、小学校就学前までの子に時短勤務制度を適用するケースも考えられます。

(注)育児時短就業給付金の対象となるのは、子が2歳未満に限られます。

「育児時短就業給付金」は、雇用保険の被保険者の方が、2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した場合に、賃金が低下するなど一定の要件を満たすとの支給を受けることができます。

受給資格を満たすには、育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始したこと、または、育児時短就業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある)完全月が12か月あることも必要です。

ちなみに、1週間当たりの所定労働日数を変更した結果、1週間当たりの所定労働時間が短縮される場合を含みます。

支給額について

支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の90%以下の場合、

育児時短就業給付金の支給額 = 支給対象月に支払われた賃金額 × 10%

が支給額となります。

支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の90%超~100%未満の場合、

育児時短就業給付金の支給額 = 支給対象月に支払われた賃金額 × 調整後の支給率

となります。

※支給上限額あり

夫婦で申請するケースでは

では、1日8時間の通常勤務時の給与が30万円の例で具体的な数字を見てみます。

1日の勤務時間を2時間短い6時間にした場合、給与は時間短縮分だけ減ることが一般的なため、22万5000円となったとしましょう。

この場合、育児時短就業給付金は、給与の10%で計算し、2万2500円となります。

一方、夫婦で短縮する時間を1時間ずつとした場合はどうなるでしょう?

夫婦ともに給与が30万円とします。

この場合、1時間の短縮分が減って給与は26万2500円となります。

そして、育児時短就業給付金は給与の10%で計算され、2万6250円となります。

世帯収入で考えたとき、1人で2時間制度を利用すると、給与と給付金の合計は54万7500円となります。

しかし、2人で1時間ずつ時短して制度を活用すると、給与と給付金の合計は57万7500円となります。

つまり、2人の合計で考えると、1人で2時間短縮するより世帯収入は3万円増えることになります。

夫婦で給与が同程度の場合は、検討されてみてもよいかもしれません。

女性ばかりに育児負担が増え、時短勤務を取らなければ立ち行かないという状況は望ましいものとはいえません。

育児時短就業給付金に関する詳細な内容や申請方法については、こちらのパンフレット(2025年8月1日時点版:厚生労働省)を参照ください。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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