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社会保険とお金

入社した月にすぐ退職した場合の社会保険料はどうなる?

社会保険とお金

こんにちは、佐佐木 由美子です。

時々、「入社した従業員がもう辞めてしまいました」という連絡を受けることがあります。それも数か月ではなく、わずか数日というケースも。

会社に入社後、すぐに退職する場合の社会保険はどうなるのでしょうか?

入社した月に退職した場合の注意点

社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、基本的に入社した日に被保険者資格を取得することになり、退職した日の翌日に被保険者資格を喪失することとなります。

保険料は月単位で計算され、月の途中で入社した場合もその月の社会保険料が発生します。

しかし、様々な事情があって、入社した同じ月にすぐ仕事を辞めてしまうことがあるかもしれません。

「入社をなかったことにしてもらえないか?」と言われることもありますが、たとえ数日であっても、就労の実績があれば社会保険の資格取得を取り消すことはできません。

そのため、被保険者資格を取得した月にその資格を喪失する場合は、その月の保険料が発生します。

ただし、退職後の同じ月に他社に再就職して厚生年金保険の資格を取得した場合、または国民年金の資格を取得した場合は、先に喪失した厚生年金保険料の納付は不要となります。

この場合、年金事務所から会社あてに厚生年金保険料の還付についてのお知らせが送付されます。厚生年金保険料の還付後、被保険者負担分は会社から被保険者であった方へ還付することになります。

(忘れた頃に通知が届くことがあるので、会社の担当者は気を付けたいところです。)

具体例で考えてみましょう。

5月1日にA社に入社、同月9日に退職した場合、5月分の健康保険・厚生年金保険料がA社で一旦発生します。

しかし、同じ月である5月20日にB社に入社した場合、B社で厚生年金保険料を納付することとなるため、A社で納付した厚生年金保険料が還付されることになります。

なお、健康保険料についてはこうした制度はありませんので、それぞれの保険者に1か月分の保険料を納める必要があります。これは本人にとっても会社にとっても、これは手痛い出費といえます。

ごく稀にこうしたケースがあるので、注意したいところです。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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