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社会保険とお金

育児休業給付金等の支給限度額はいくら?

社会保険とお金

こんにちは、佐佐木 由美子です。

男性の育児休業給付の取得を促進するために、産後パパ育休中の給付金については実質手取り10割へ給付水準を引き上げることを岸田首相は3月の記者会見で表明しています。

いつから開始されるのか、その具体的なスキームについては現時点で正式に公表されていませんが、現行の制度と同じように支給限度額が設けられることになるでしょう。

現在は、休業開始時賃金の67%(育休開始後180日目まで、それ以降は50%)となっていますが、支給限度額が定められている点には留意したいところです。

2023年8月以降の支給限度額

雇用保険制度から支給される各給付金の支給限度額は、毎年8月1日に見直されるのをご存知でしょうか。

毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに、基本手当日額をはじめ、育児休業給付、出生時育児休業給付、高年齢雇用継続給付、介護休業給付の支給限度額について見直しが行われます。

今回は、2022年度の平均給与額が2021年度と比べて約 1.6%上昇したこと等により、各給付金が上昇しました。

2023年8月1日から2024年7月31日までの具体的な数字を確認しておきましょう。

育児休業給付の支給限度額

育休開始から6か月(180日)まで

(支給率 67%) 305,319円 → 310,143円

育休開始から6か月(180日)以降

(支給率 50%) 227,850円 → 231,450円

出生時育児休業給付の支給限度額

(支給率 67%) 289,466円

※出生時育児休業(産後パパ育休)は、最大28日まで取得可能

介護休業給付の支給限度額

335,871円 → 341,298円

高年齢雇用継続給付の支給限度額

364,595円 → 370,452円

支給対象月に支払いを受けた賃金の額が支給限度額(370,452円)以上であるときには、高年齢雇用継続給付は支給されません。

また、支給対象月に支払いを受けた賃金額と高年齢雇用継続給付として算定された額の合計が支給限度額を超えるときは、370,452円-(支給対象月に支払われた賃金額)が支給額となります。

なお、最低限度額は2,196円となっており、高年齢雇用継続給付として算定された額がこの額を超えない場合は、支給されません。

60 歳到達時等の賃金月額については、上限額が486,300円、下限額が82,380円となっており、60歳到達時の賃金が上限額超(下限額未満)の方については、賃金日額ではなく、上限額(下限額)を用いて支給額を算定します。

まとめ

上記に紹介した各給付については、2023年8月1日以後の支給対象期間から変更されています。

すでに受給している場合、支給限度額にかかることがなければ、特に変更はありません。

なかには給付額が多少なりとも上がるケースもあります。上がって不満が出ることはないはずですが、金額が変更となっている場合には支給限度額の見直しがあったことを覚えておいていただければと思います。

出生時育児休業期間中の給付率の改正もいつからどのように実施されるのか大変気になるところです。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、執筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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