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国際女性デー~「なぜ男女の賃金に格差があるのか」

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こんにちは、佐佐木由美子です。

今日3月8日は、『国際女性デー』(International Women’s Day)。

1908年にニューヨークで女性が労働条件改善や参政権を求めてデモ行進を行ったことが起源とされています。

1975年に国際婦人年に国連が3月8日と国際女性デーと定めてからは、毎年女性の地位向上やジェンダー平等を求めるイベントが世界中で開催されています。

ニューヨークで女性たちがデモ行進を行ってから、すでに100年以上。どれだけ多くの女性たちが苦い想いをしながら立ち向かってきたのでしょう。

過去一世紀におけるアメリカ女性のジェンダー平等を求める長い歴史を分析し、男女の賃金格差について解き明かした女性がいます。

それは、2023年ノーベル経済学賞を受賞したハーバード大学のクラウディア・ゴールディン教授です。

彼女が執筆した「なぜ男女の賃金に格差があるのか~女性の生き方の経済学」(慶応義塾大学出版会)は、とても読み応えのある一冊でした。(原題は「Career and Family: Women’s Century-Long Journey towards Equity」)

女性たちの世代をつなぐバトンとして、100年を5つのグループに分け、それらの特徴を分析。さらに、大卒女性における各職業のデータを経済分析し、女性の賃金の上昇を阻む原因について検討を重ねています。

先駆的な女性たちが1世紀以上に渡って自問し続けてきた仕事と家庭のトレードオフをめぐる問題

執筆時点は世界経済に大きな衝撃を与えたコロナ禍ということもあり、それは女性への不平等な負担が露呈した時期とも重なっています。

ジェンダー問題に関心ある方は、ぜひご一読されることをおすすめします。

日本においても、キャリアと家庭の両立が難しいということは変わりません。そして、男女の賃金格差においても。むしろもっと状況は厳しいといえます。

なぜ男女の賃金格差が生じるのかについては、子育てや介護などケアの負担が女性に偏っていることやステレオタイプ的な職業選択、女性の非正規比率が高いこと、管理職が少ないこと、女性の労働意欲を削ぐような税・社会保障制度など様々な要因があることなど、どれも確かでしょう。

無意識のジェンダーバイアスにも、気づかないうちに思考が支配されてしまいがちなことも。

ただ、これらは女性だけの問題ではなく、また女性だけにアプローチしても格差を縮めることはできません。

男性の参画はとても大きく、同じ地球号という船に乗っている仲間として旅に同行しない限り、達成することは難しいものでしょう。

でも、私はあきらめていません。

次の世代に、バトンをつなぐために。

様々な問題が複雑に絡み合っています。やるべきことはたくさんあるでしょう。

なかでも、私はこれからの男女の働き方が大きなカギを握っていると考えています。

これは語り出すと長くなりそうなので、別の機会に譲りたいと思います。

ということで、また改めて!

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、執筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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