定年前後の働き方大全100

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人生後半の働き方が大事になってくる理由

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

つい先頃、「1日1分読むだけで身につく 定年前後の働き方大全100」という本を出版させていただきました。

定年前後の働き方に着目したのは、人生後半の働き方がこれまでとは少し違う意味を持ち始めていると感じているからです。

社会経済情勢の変化

つい10年くらい前まで、60歳で定年を迎えて引退することは珍しくありませんでした。

2013年3月までは、継続雇用制度の対象となる高年齢者を『労使協定により定める基準』により限定することができたため、継続雇用の対象者とならないこともありました。

定年後に再雇用で働く場合も、現役時代とはかなり待遇面や仕事内容の格差が大きく、企業側にとっても福祉的雇用の意味合いが強かったといっても過言ではありません。

つまり、定年後の再雇用については、労使双方において「期待しない」ということです。

企業側からすれば、法律上の義務を果たさなければなりません。

働き手からすれば、年金受給までのつなぎとして、割り切っていたところもあるかもしれません。給与が大幅に下がれば、モチベーションも上がりません。

しかし、ここ数年でそうした流れは、少しずつ変化してきています。

60代の従業員への待遇を見直す企業が増えてきているのです。

人手不足の深刻化が現実味を帯びてきていること、それによって事業運営に支障を来たしていることや特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢が引き上がってきていることなど、社会経済情勢は著しく変化しています。

考えてもみてください。

これまでは60歳定年で引退するものだと思っていたのに、それがあと10年程度も延びてくるとなれば、「とりあえず」とは言えない長さではないでしょうか。

それに、体力面においても昔と違ってかなり健康寿命が延びています。

気力・体力もあり、人生が長期化してくる=お金もかかる、となれば、もっと「やりがい」のある仕事をしたいと思うでしょうし、ポジティブに働くことを考える人は増えるはずです。

50年近く働くとなれば、40代の中後半はキャリアの折り返し地点といえます。

人生を楽しく過ごすために、そのくらいから人生後半の働き方を考え始めると、かなり選択肢が増えてくると思うのです。

定年間近になって、急に慌てて「再雇用の選択しかない」「みんなもそうしているから」といった理由で大事な働き方を決めてしまうのは、ちょっと勿体ない気がします。

結果的に再雇用で仕事を続けることになったとしても、考え抜いた上での自分なりの答えであれば、納得感を持って向き合えるのではないでしょうか。

自分に合った働き方は誰も教えてくれない

長く組織に勤めていると、今の働き方が当たり前になってしまい、自分に合うかどうかなど考える機会は減ってしまいます。

そんな時間もないほど、ミドル以降になればハードに働いている人も多いことでしょう。

ただ、違和感を持ちながらも、そうした気持ちを呑み込んで働いている人が多いのも事実です。

日々の生活を営むには、一定の経済力が必要になるので「好き」「嫌い」といった次元だけで考えるわけにもいきません。

ある程度の分別があるからこそ、責任もあるからこそ、人は悩むのです。

ただ、人生の後半を迎える頃には、もうそろそろ自分のために、働き方や生き方を考えてもいいのではないでしょうか。

それには、今後どのような選択肢があるか。

働き方を大きく見直していくなら、どういう点に注意すべきか。

どのような公的支援が受けられるのか。

お金はどのくらい必要か、年金はどの程度もらえそうか。

果てしない砂漠の真ん中で途方に暮れるよりも、ざっくりとした地図のようなものがあれば、自分の進むべき方向性がつかみやすくなるはず。

「定年前後の働き方大全」は、人生後半の働き方を考えるきっかけとして、役立ててもらえたらという想いも込めて執筆しました。

助走期間を持つことが大事

直近に発表された「高年齢者雇用状況等報告」による定年制の状況においても、定年年齢は60歳が今のところは主流(全体で66.4%、301人以上の企業では77.2%)といえます。

出所:令和5年「高年齢者雇用状況等報告」厚生労働省

そうなると、多くの人が一つの区切りとして60歳で働き方を見直す(引退するという選択肢を含め)タイミングを迎えます。

定年後の働き方を、現在とは大きく見直そうと考える場合、特に会社員からフリーランスなど雇用によらない働き方にシフトする場合は、助走期間を十分に持つことが大切です。

働き方のシフトについては、定年に限ったことではなく、助走期間は大事なこと。

若いうちであれば、いくらでもやり直しは効くものです。

若さゆえに、思い切った行動をとることもあるかもしれません。

もし思うような結果が得られなかったとしても、失うものはさほど多くはないでしょう。

ただ60歳を過ぎて、無鉄砲に動くのはさすがにリスクが高すぎます。

シフトするなら、準備は早い方がいいですし、助走期間も長く取った方がいい。

うまくいかないこともあったとしても、どうしたら別のやり方でうまくいくか検討して試すこともできるはず。

当初、思い描いていたこととは違う、と気づくこともできるかもしれません。その場合は、ゴールを少し見直したっていいのです。

いずれにしても、助走期間があれば、リカバリーができるのでリスクを軽減することができます。

組織の外の世界に目を向けてみることは、フリーランスに転身しようとする人以外にとっても気づきがあるはずです。

周りを見回してみると、会社員からフリーランスとなって60代以降も活躍している人は、定年を待たずに50代のうちに退職している人がとても多いといえます。

人にもよりますが、いずれ独立することを40代のうちから考え、助走しながら経験を積んだり人脈を築いたり、あらゆる手を尽くしている様子がうかがえます。

40代~50代前半といえば働き盛りですし、組織で求められる役割も大きいため本業に奪われる時間も多いものです。

そうした中で、準備を始めて助走していくには、ある程度の時間はかかってしまうものでしょう。調べること、やるべきこともたくさんあります。

無理なく新しい働き方にソフトランディングするには、早めの準備と助走期間を持つことが重要になってくると考えます。

ただ、これも「大変だ」と思わずに、「理想の働き方に近づいている」とワクワク楽しんでしまった方がいいと思います。

いずれにしても、「定年」というのは、人生における大きな節目です。

定年以降のキャリアは、もはや年金受給までのつなぎではありません。

これまでの価値観を転換し、ライフキャリアを考えていく時代に差し掛かっています。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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