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キャリアの転機につながる人間関係とは

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コロナショック以降、リアルな入社説明会や直接面談による採用活動が制限されている状況が続いています。

オンラインによる採用選考は、利便性が高く有効な手段ですが、企業にとってはなかなか人材の見極めが難しいという課題もあるようです。

オンラインでリアルな情報を伝えにくい中、社員を通じて情報伝達をしてもらい、自社にマッチする人材を直接紹介してもらう、いわゆる「リファラル採用」が注目を集めています。

ある調査*では、コロナ禍の採用選考において、「リファラル採用を活用している」が19.7%、「リファラル採用を検討している」が21.3%と、約4割の企業がリファラル採用を活用したり検討したりいるという結果が明らかになりました。

「コロナ禍の採用に関する調査」(株式会社MyRefer)2021年5月

これは、日頃からの人間関係がモノを言うということです。

人間関係のウィーク・タイズに注目

あなたが仕事関係で悩みを相談するとき、誰に相談するでしょうか?

おそらく親友や家族、恋人などに、まず話を聴いてもらいたいと思うのではないでしょうか。

自分をよく理解してくれている親しい人は、前置き無しに本音で話ができるので、安心できますし気楽です。こういった強い絆で結ばれている人たちを、「ストロング・タイズ」と言います。

ストロング・タイズの関係にある人は、話を親身に聴いてくれるのでありがたい存在です。しかし、近しい存在なだけに、すでに自分でも知っている情報とあまり代わり映えがしない情報を持っている可能性が高いとも言えます。

つまり、心を許せる親密な関係にある人ばかりと付き合っていると、情報が限られてしまうということです。


一方、「ウィーク・タイズ」(弱い絆)でつながっている人たちは、自分が知らない業界や親しくない人たちとの接触があるので、自分にとって新しい情報が得られる可能性が高いわけです。

過去の調査研究からみても、ストロング・タイズを使って情報を探した人よりも、ウィーク・タイズを使って情報を探した人たちの方が、結局は良い就職先を見つけることができたという分析結果もあります。

こうしたことから、社会科学の分野では、就職においてウィーク・タイズ(弱い絆)が大事だと言われています。


ウィーク・タイズと一言にいっても、関係性については次のように二分できます。

ひとつ目は、今まで同じ職場で過ごした上司や同僚関係にあるような人たちです。一緒に仕事がある人であれば、あなたに何ができるのか、どんなふうに仕事と向き合っているのか理解しているので、仕事の縁に結びつきやすいといえます。

もう一つは、知人関係にある人です。あなたについてどんな会社に所属しているのか、また結婚しているのかどうかといった表面的な情報は理解しているものの、それ以上の情報は持っていない人たちです。

時々異業種交流会などに参加し人脈を増やそうという人もいますが、そういった関係性では、表面的なものとなってしまいます。これではあなたの仕事ぶりについて全くわからないので、信用が形成されません。

つまり、キャリアの転機は、同僚関係にあるようなウィーク・タイズの人間関係からもたらされる可能性が高いということです。


冒頭で、リファラル採用の話をしましたが、リファラル採用につながる人たちも、ウィーク・タイズでのつながりをもった人からの一定の信用が形成されているかもしれません。

これは企業の採用だけの話に限りません。たとえば、フリーランスとして働いている人にとっても、仕事やチャンスは、人とのご縁を通してもたらされることが多いものです。

何がキャリアの転機に繋がるかわかりません。日頃から仕事に向き合う姿勢はもちろん、同僚や上司、部下、取引先など、人とのつながりを大切にしたいものです。


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